5月は気温が徐々に上がり始める季節。まだ夏本番ではないからと油断しがちですが、実はこの時期こそが熱中症対策のスタートラインです。気温が高くなり始める5月~6月は、体が暑さに慣れていない「暑熱順化前」の状態にあり、熱中症のリスクが急増する時期でもあります。
厚生労働省の労働災害統計を見ても、5月から熱中症による労災が報告され始め、6~8月にかけてその発生数はピークを迎えます。つまり、5月の準備が甘いと、夏場に重大な健康障害や業務停止リスクを招きかねないのです。
職場に潜む“見逃されがちな”熱中症リスク
「外での作業がないから関係ない」と思われるかもしれませんが、工場、厨房、物流倉庫、空調の効きにくい事務所などでも熱中症は多発しています。特に以下のようなリスク要因を抱える職場は注意が必要です。
- 高温・多湿環境(WBGT値の上昇)
- 重作業や防護服の着用による発汗量の増加
- 高齢者や体調不良者、新入社員など順化が不十分な労働者
- 水分・塩分摂取の習慣が身についていない職場文化
こうした状況を放置すると、最悪の場合、命に関わる事態にもなりかねません。
5月に企業が取るべき初動対策とは?
5月時点での準備は、熱中症の発症を未然に防ぐ鍵となります。特に以下のような対応が推奨されます。
- WBGT(暑さ指数)の測定と記録
- 暑熱順化のための短時間作業の導入や、作業時間・休憩時間の再設計
- 水分・塩分補給の教育と、現場での飲料確保
- 「暑さに弱い社員」への個別配慮
- 緊急時の対応マニュアルの整備と周知
産業医・労働衛生コンサルタントが提供できる実践的支援
私たちは、以下のような支援を通じて、職場の熱中症対策をトータルでサポートいたします。
- 現場に即したリスクアセスメントの実施(WBGT計測を含む)
- 作業環境改善のアドバイス・教育資料の提供
- 衛生委員会での報告・提言による社内意識の向上
- 現場巡視を通じた具体的な改善提案
- 熱中症発症時の初期対応マニュアルの策定と訓練支援
業種・職場特性に応じて、オーダーメイドの対策プランをご提案いたします。
まとめ:熱中症対策は“5月の動き”で結果が決まる
熱中症は予防が可能な職業性疾病です。そしてその予防の成否は、5月の段階でどれだけ準備できているかにかかっています。社員の命と健康を守り、安定した業務運営を実現するためにも、今こそ対策を始めるタイミングです。
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監修:株式会社吉川労働衛生コンサルタント産業医三重事務所 代表取締役 吉川 諒
【対応エリア】三重県・愛知県・岐阜県、静岡県ほか全国対応可
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