アスベスト(石綿)とは?いま、改めて注目される理由
かつて建材や断熱材として広く使用されていたアスベスト(石綿)。その有害性が明らかとなり、使用は禁止されていますが、築年数の古い建物には今もアスベスト含有建材が多く残っています。
これにより、建物の解体・改修工事において**作業員がアスベスト粉じんを吸い込むリスク(ばく露)**が問題視され、労働安全衛生法や石綿障害予防規則(石綿則)などの関連法令が、2020年以降大幅に改正・強化されています。
最新の法改正ポイント(2020年〜2026年)|現場が知るべき重要な変更点
近年、アスベストに関する規制は労働者の健康保護と現場の安全確保のために強化されています。特に2020年以降、以下の法改正が現場の実務に大きな影響を及ぼしています。
2021年4月1日施行|レベル3建材も規制対象に追加ほか
- それまで規制外だったレベル3のアスベスト含有建材も規制対象に(ただし、レベル3に該当する成形板や仕上塗材の一部は除外)
- 建築物の解体・改修工事対象のすべての材料について、設計図書や目視による調査が義務化され、その調査結果は3年間保存が義務付けられる
- 吹付けアスベストに加え、保温材などの除去工事は14日前までに労働基準監督署へ届出が必要
- 除去工事終了後は、「石綿作業主任者や事前調査に必要な知見を有する者」が取り残しがないか確認することが義務付けられた
- 仕上塗材の除去作業においては、ディスクグラインダー使用時に作業場の隔離措置が新たに求められている
2022年4月1日施行|事前調査結果の行政報告義務化
一定規模以上の工事(解体80㎡以上、改修100万円以上など)は、事前調査の結果を行政に電子報告することが義務化されました。
2023年10月1日施行|有資格者による事前調査報告の義務化
解体・改修工事の事前調査は、国家資格や認定講習修了者など有資格者が必ず行うことが義務付けられました。
2024年4月1日施行|除じん性能を有する電動工具の使用義務化
アスベスト含有建材の切断作業には、除じん性能を備えた電動工具の使用が義務化されます。これは湿潤化と同等以上の粉じん抑制効果があるためです。
2025年4月1日施行|安全作業環境の整備強化
- 労働安全衛生規則の改正により、立入禁止や退避などの安全措置の対象範囲が「労働者」から「作業に従事する者」に拡大されます
- これにより、直接契約の有無に関わらず、現場のすべての作業者にアスベストの有害性や安全表示を周知することが義務化されます
2026年1月1日施行予定|特定工作物の事前調査義務化
建築物や船舶に加え、一部の特定工作物についても、「工作物石綿事前調査者」による事前調査が義務化されます。
労働衛生コンサルタント・産業医として、現場に即した講習・研修を実施します
私は労働衛生コンサルタント(保健衛生)かつ現役の産業医として、アスベスト対策に関する最新法令と実務対応の講習・研修を提供しています。
【講習・研修内容例】
- アスベストの健康リスクとばく露防止対策
- 最新の法改正のポイントと実務での対応方法
- アスベスト作業主任者の役割と実務ポイント
- 建築物解体・改修工事における安全衛生管理
- アスベスト事前調査の正しい理解と報告義務の履行
- 派遣労働者を含む労働者への安全教育・健康管理
- 受講者の理解度に応じたワークや質疑応答
アスベスト作業主任者講習にも対応可能
アスベスト作業主任者の選任が義務付けられている現場に向けて、講師として指導可能な体制を整えております。資格取得前のプレ講習や、現場担当者向けの安全教育など、幅広く対応いたします。
三重県・東海地方を中心に全国出張対応
三重県を拠点に、愛知・岐阜・静岡など東海エリアでの対面講習を中心に行っていますが、関東・関西・九州など全国どこでも出張対応可能です。遠方の場合でもご相談ください。
初心者でも安心!法改正から実務までわかりやすく解説
「法改正は複雑でわかりにくい」という声は多くありますが、当講習は初めての方でも理解しやすいよう、図解や実例を交え丁寧に説明します。また、現場経験豊富な産業医として健康管理の視点も含めた総合的な指導を行っています。
講師依頼・研修のご相談はお気軽に
- 企業内研修・安全大会での講演
- アスベスト作業主任者講習の講師派遣
- 自治体や団体のセミナー・勉強会
- オンライン研修・動画監修も対応可能
内容・規模に応じて柔軟に対応いたします。まずはお問い合わせください。
石綿に関するご相談、講師依頼、産業医業務依頼、労働衛生コンサルタント業務依頼などのお問い合わせはこちら
まとめ
アスベスト対策は法令遵守だけでなく、労働者の健康と企業の信頼を守る重要なテーマです。最新の法改正情報と実務ノウハウを学べる講習・研修を通じて、安全で安心な職場づくりを全力でサポートいたします。
監修:株式会社吉川労働衛生コンサルタント産業医三重事務所 代表取締役 吉川 諒
【対応エリア】三重県・愛知県・岐阜県、静岡県ほか全国対応可
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